2016/08/11
ポーランド⑬ ワルシャワその1
ワルシャワはポーランドの首都であり、たぶん一番の大都会。
でも、それはやっぱりポーランド、中心地を離れると結構閑散としてたりして。
ちょっと郊外に滞在してたもんで、夜になると開いてる商店なくて、バス乗って水買うだけなのにワルシャワ中央駅まで行きましたからね俺。
★ワルシャワ旧市街
歴史地区として保護されている場所。
実はこの旧市街、そのまま昔のものが残っているわけではありません。
第二次世界大戦中の「ワルシャワ蜂起」によって、街は徹底的に破壊されてしまいました。
それこそ何ひとつ残らないくらいに。
戦後、ワルシャワの人々は、瓦礫をかきあつめ、昔の写真を参考にし、ないものは作り、昔の街を元通りに再現し修復した(それこそ、「道の割れ目ひとつに至るまで再現した」といいます)のが、ここだったりします。
新たに作ったものは世界遺産にされたり普通はしないのですが、この街はその「復興努力」が世界遺産として認定されています。
ワルシャワのシンボルは人魚です。盾と剣を持ち、なんとなく尻尾が龍のようですが人魚です。
ワルシャワのいろんなところにシンボルとして用いられています。
これは、昔ワルシャワのヴィスワ川を上がってきた人魚が、その声の美しさからひと儲けしようとした商人につかまってしまい、嘆く人魚を青年が救出、川に帰したところ、恩返しとして、この街に何かあったときには必ず馳せ参じる、と約束して帰っていき、以来、ワルシャワの守り神になっているという説(だから剣と楯を持っている)。
ヴィスワ川のほとりに住む夫婦がある日網に人魚をかけ、あまりに美しいので家に連れ帰ったが、人魚がどうか川に帰してほしいと懇願するので、川へ連れていって帰してあげたところ、人魚は礼に大量の魚を川に呼び寄せ、その漁獲によってワルシャワが発展したからという説などがあります。
ちなみに、この夫婦が助けたのは人魚ではなく、狩りをしていて家来とはぐれ、夜になってほとほと困っているところをヴィスワ川のほとりに立つ夫婦の家にたどり着いた、当時この近隣の地域を支配していたジェモメスゥ公であったとする話もあり、一晩の厚いもてなしに感激した公は、「見知らぬ人物を嫌がりもせず家に招きいれ、空腹、寒さ、野獣から救ってくれた。あなた方の親切がいつまでも忘れられることのないように」と、この土地を夫婦に与えて名前を冠したという話もあります。
面白いのは、上記の人魚を助けた夫婦も、後者の公を助けた夫婦も、実は名前はワルスとサワという夫婦なのです。
人魚を助けた夫婦にちなみ、ワルス(Wars)とサワ(Sawa)を足して「ワルシャワ」になったとする説と、ジェモメスゥ公が夫婦に土地を与える際、「この地は今後いつまでもワルスの(ワルショヴァ Warszowa)土地である」と宣言したから、とする説がありますが、ワルシャワの名前はいずれにせよこの夫婦から来ているそうです。
歴史のある土地はこういうのがごろごろしてるから面白いですね。
★文化科学宮殿
世の中にはいろんな建築様式がありまして、実は「スターリン様式」と呼ばれる建築様式が存在します、聞くだけでちょっとゲンナリしますね。
これはその顕著な例で、もともと冷戦時代に、スターリンから寄贈されるという形で建設された建物、現在は「文化科学宮殿」(Pałac Kultury i Nauki パーワツ・クルトゥールィ・イ・ナウーキ)と呼ばれていますが、建設当初はヨシフ・スターリン記念文化科学宮殿(Pałac Kultury i Nauki imienia Józefa Stalina パーワツ・クルトゥールィ・イ・ナウーキ・イミェーニャ・ユゼーファ・スタリーナ)と呼ばれていました。自由化後、ちゃっかりスターリンの名前は外したわけです。
ポーランドの人々は自由化後、ソビエト支配時代の遺構を嫌う傾向があり、この建物もやはり嫌悪の対象としている人々は存在しています、ただ、今となってはワルシャワのシンボル的な存在でもあるため、嫌うというより無関心でいる、という方が正しいかもしれません。
どのくらい嫌われていたかというと、このビルには展望台があるため、ワルシャワ子たちの間で、「どこに行くんだい」「文化科学宮殿だよ。あそこに行けば宮殿を見なくて済むからね」というジョークも存在したくらいそうです(笑)。
夜になるとライトアップされます、ぶらっと見に行ったんですが、なかなか綺麗です。
もうひとつ特筆すべきことは、この建物の立っている場所です。
クラクフのように、第二次世界大戦中、ワルシャワにもユダヤ人隔離の為のゲットーが存在していました。
この建物は、その上に建てられているのです。
ビルの敷地(というかビルそのもの)はかつてゲットーの壁の上に建てられています、歩道や緑地にある線が、かつてワルシャワ・ゲットーの壁があった場所で、ビルの壁面との接合点にはモニュメント的な地図が貼ってあります。
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